中高年の結婚

 

これからの男性は、どんなイヤなことがあっても養育料負担のリスクを考えて離婚を我慢するとしても、女性にとッての離婚リスクが低くなってくると、(男性から見れば)ちょっとしたことでも性格の不一致で訴えられるとどうにもならないのが、現在の離婚法制(判例)です。
女性の方から見れば、これまでは別れるとマトモな生活が出来なくなるので我慢している人が多かったのですが、今では養育料の負担はしてもらえるし、財産分与・あるいは年金分割その他(母子手当等の社会保障も)至れり尽くせりになって来たので、逆に離婚決意へのハードルが低くなって来ました。
このように結婚してしまえば、男性の方が(男から見れば理不尽にも見えても)何が何でも我慢しなければ大変なことになることが分ってくれば、その前段階の結婚・出産を敬遠する方へ男が進むのが自然です。
現在の行動を決定する基準は、一般的に将来の結果予測に基づくものですから、ある程度安定した職に就いている人は現在離婚率が高まっていることと離婚になった場合、巨額の養育料負担やローン負担が予測されることが一般的に知られてくれば、余程相手の魅力に惹かれて狂わない限り普通に適齢期が来た程度では、あえて結婚したいと思わなく(慎重に)なるのは当然です。
男性側では、この結果晩婚化が進み、結婚しても将来リスクを避けるために出産をいやがる傾向が進みます。
まして最近では都市住民2世以上になって来て、親と同居しているので(母親が炊事洗濯みんなやってくれるし)結婚しないと困る事情が少ないこと、性格的にも草食系化が進みつつあって、男の方もそれほど性欲でのぼせることがなくなってきたらしく、つきあっていても結婚に消極的な男性が増え、その上漸く結婚しても子供をほしがらない夫が増えてきていて、これを理由の一つにして離婚に踏み切った女性もいました。
男性の方は子供さえいなければ、結婚した結果離婚になったとしても(離婚に伴う財産分与等そのときの解決は必要ですが)それ以上に何の将来負担もしなくても済むのでリスク回避になりますが、これに対し、女性の方は子供を産めないのなら何のために一緒にいるのか?となってきます。
その意味では男40代女性30代後半の組み合わせで結婚して、(当然のことながら)子供の生まれないパターンが最近増えていますが、これが現在の男にとって最高の結婚形態かもしれません。
子供さえ生まれなければ、妻は夫の世話だけしてくれるしこんな良いことはない上に、何時別れることになっても養育料負担を押し付けられる心配もありません。

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