婚姻率低下2

今のところ夫が家庭内で気持ちよくして行くためには、子どもを可愛がって女性に尽くすしかないのですが、それ自体女性のご機嫌取りに過ぎず、如何に子供を可愛がってもそれは母親に叶うものではないし家庭内ではどうあがいても意味のない競争ですから、言うならば力学的には全面降伏状態です 。
全面降伏の証しとして相手(女性)の大事なもの(子供)を大切にしているようなものですから、全面降伏に納得出来ない男は単純に逃げ出す・・離婚しかないのですが、その場合でも養育料請求権がついて回ります 。
現在の風潮下では母子に対する公的支援制度が完備して行く一方で、他方では一般的には夫の家庭サービスは良くなって行く一方である上に、他方で姑との同居もなくなって更には介護も自分でしなくていいことから、現在の結婚・家族制度は女性・子供にとって歴史上最も居心地の良いものになっていることになります 。
他方で、3食昼寝付きと揶揄されたこともあって、女性が外に働きに出ることになったことから、夜帰ってからも女性には家事・育児労働が待っているので、女性の忙しさは半端なものではありません 。
しかも子育てについて親族や近隣の応援が得られないことから、その分だけ負担が重くなっています 。
このために従来に増して、夫への家事・育児労働への参加が求められるようになって来たのは、自然の勢い・・仕方のないことです 。
女性の地位向上=貨幣獲得能力を得るために外に働きに出ることが奨励されて来たのですが、これはせっかく女性が築き上げて来たジェンダーの否定に繋がることは明らかです 。
女性は古代から時間をかけて子を産む性として特化・・専念するために、オスを定着させて、生活費を稼ぎ貢がせる仕組みを作り上げて来たのですが、このジェンダーの否定は結果的にオスに対する家庭維持費の負担を削減・否定することに繋がらざるを得ません 。
女性の社会進出と言ってもまだ道半ばで、母一人で子供を育てるほど稼げる人は一握りに過ぎません 。
多くは、高給取りと言ってもようやく一人生きて行くのに恥をかかない程度がやっとで、家族全部を養う・・夫を家事専業にするには足りないでしょう 。
こういう状態で、外で働くようになった女性が従来通り育児全部を担っていると身体が持たないので、夫にも家事育児の分担を押し付けるあるいは家事育児等の協力を求めるのが普通になって来ます 。
夫の方も自分一人の収入では家族を養えなくなっているので仕方がないとも言えますが、こうした動きには元々家庭維持の必要性に関する誤解があります 。
オスにとっては古代以降メスに飼い馴らされて家庭の居心地が良いから家庭に定着しているだけであって、基本性質は放浪ですから自分の収入が少なかろうと家で自分がサービスをする方に回ると違和感が出て来ます 。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC