男性が事務をやる江戸時代の歴史を引きずっているので、女性に向いている筈の事務部門、医療・教育その他まで全部男性が独占してきただけでしょう。
そこで、妻・・女性自身の収入源の確保が模索されるようになり、長い年月を経てようやく女性が結婚後も外で働き続けられるようになって来たのです。
夫婦の協力義務の法定・明文化や女性の社会進出についてはこれから書いて行きますが、ここで話が少し横道にそれますが、こうした弊害があるからと言う訳でもないでしょうが、ここ数十年来支払業務の合理化のために給与の銀行振込制度が発達して来ました。
給与が全額振り込まれて男性が自分でポケットに入れて持ち帰れなくなってくると、帰り道で(飲み屋などで)落としてしまうリスクがなくなっていいことですが、結果的に奥さんの全額管理となり男は子供同様に奥さんから一定額の小遣いをもらう関係になってしまい、江戸時代の男同様の地位になって来ます。
これが、現在の男女力学の到達と言うよりは江戸時代までの回帰点です。
女性の社会進出が進みダブルインカムの夫婦が増えて来ましたが、この場合にはそれぞれが自分の給与を管理していることが多いのでこれこそが新たな到達点と言えます。
この場合には離婚耐性は強まりますが、その代わり普段の懐は別勘定の夫婦が普通ですので、子供が生まれた場合の家計費分担修正がうまく行かないで、離婚に発展した事例を02/23/05「離婚の実態1(夫婦の家は誰のもの?1)」で紹介したことがあります。
ダブルインカムの場合、この方面の修正(と言っても根本的な変更ですので)が難しくなっている若者が多く、結果的に出産にブレーキがかかっている面もあります。
昨年秋から担当した薬剤師夫婦の事件も、妻の高収入を当てにしている・・と言うより夫婦双方の収入を前提に高額のローンを組んでいる・・夫の方が妻が子供を産むのを(妻の収入がなくなるとローン支払に窮します・・・)いやがったことが遠因でした。