日本の(技術及び借款)協力で中国に最新鋭の製鉄所その他が生まれすべての分野(農業も指導者が懇切に指導して逆輸入商品に仕上げましたし繊維・衣類その他すべてご存知のとおりです)でそうなってくると、人件費が今でも日本の10〜20分の1ですからそれまでの輸入国が輸出国に入れ替わるのは時間の問題でした。
この関係は日本と中国だけではなく欧米と中国との関係でも同じですが、日本の場合、中国に近いだけではなく上記のとおり積極的に
野菜の作り方餃子の作り方まで手取り足取り指導して、逆輸入しても日本で売れるようにわざわざ出かけて行って指導していたのですから、指導が成功すればその効果として逆輸入品が増えるようになったのはあたり前です。
日本は失われた10年と言われ、更に今では20年と揶揄されていますが、これは上記のとおり早くから後進国への技術移転に努力していて成功した分だけ、日本は欧米よりも早く・・1990年頃から低賃金による低価格品の洗礼を受けるようになったのは当然であって先進国中で日本だけ問題があって低迷していた訳ではありません。
こうして、徐々に新興国と呼ばれる国々が製品輸出国・貿易黒字国として台頭して来て、日本だけではなくアメリカもEUも新興国による低価格製品輸出に脅かされるようになり、世界経済を論じるには今やG7だけではどうにもならなくなり、G20にまで経済会議が拡大されている状況となりました。
日本は中国への進出が初めてではなく、その前から韓国や東南アジアへの現地進出を進めていて日本に関係した国々(韓国・台湾やタイ等)は順次経済離陸出来ていったのですが、いずれも人口的には少数ですので、世界に与えるインパクトは小さかったのですが、そのとどめが巨大な人口を有する中国であったと言えるでしょう。
中国は隣国ですので身近な野菜の作り方まで指導して逆輸入するようになったので、(この点東南アジアは気候風土が違い過ぎて珍しい南洋の果実を輸入する程度でした)全面的な影響を受ける・・文字どおり経済一体化が進んでしまったのが大きな違いです。
中国その他の新興国は資本・技術の受け入れによって・・天然資源以外の国際競争力のある輸出商品を作れるようになれば、物価水準・賃金水準が均一化に進む・・先進国から見れば輸入物価の下落によってデフレになるのは当然です。
後進国への生産移管は当初普及品中心ですが、低価格・普及品では人件費の高低差がもろに価格差に跳ね返るので、国際競争力の有無は人件費差になります。
こうして何十分の1と言う低人件費に支えられて同じ機械を使って同じ品質の製品を作れるようになった後進国では爆発的な輸出競争力を付けることになりました。
産業革命以降先進国が一方的に輸出していた工業製品について、日本については1990年以降(世界全体では大雑把に見て2000年以降)逆流が始まりこれが国内物価の引き下げ圧力になって来ました。